令和4年度 高岡市歯科医師会学術講演会

日時 令和4年8月28日(日)9:30~12:30

会場 高岡市生涯学習センター(ウイングウイング高岡)5F  503研修室

 

今年度は日本小児歯科学会認定専門医・指導医の外木徳子先生をお迎えし、「臨床医が理解しておくべき幼児期からの口腔機能育成」と題した講演をしていただきました。

今回は新型コロナウイルス感染症予防対策として、人数制限の現地開催と後日のオンデマンド録画配信のハイブリッド開催と致しました。

 

以下講演内容を記載します。

  • 8020運動達成者(80歳になっても、20本以上の歯を保とうという運動)には、きれいな咬み合わせの人が多く、反対咬合(受け口)の人はいなかった。

反対咬合、開咬(奥歯は噛んでいるのに前歯が噛み合わない状態)の子供を減らすことによって、大人になってからの生活の質がより良いものとなる。

  • 様々な癖が、不正咬合(上の歯と下の歯が正常に噛み合わない状態)の原因となり得る。例えば、指しゃぶりの癖が続くと前歯が噛み合わない状態に繋がる。4歳までに指吸いをやめると7割は自然に治癒する。
  • 子供をちゃんと見て触れ合うことにより、健全な体と心が形成させる。スマホを触りながらの触れ合いは情報が入りにくい。情報が入りにくいと口の機能の遅れにも繋がる。
  • 歯の生え方が遅い子は、生え方にあわせて離乳食のステップの舌食べ期・歯ぐき食べ期を長めにしてあげるとよい。歯が生えてきて歯食べ期にしっかり噛んで飲み込むことにより、きちんとした咬み合わせになっていく。

 

不正咬合の予防になり得る口腔機能育成について、外木先生にご講演して頂き、大変勉強になりました。我々、歯科医師・歯科衛生士らが子供の不正咬合を早期に予防・改善する事で、大人になってからの健康寿命を延長させる助けになるのでは感じました。

(高岡市歯科医師会 学術委員 金子 翔龍)